☆事例紹介 : 名前の訂正(韓国)

日本の住民票上の名前と韓国の家族関係登録簿上の名前が違う場合、どちらかの記録を訂正しなければ同一人として認められず、行政手続きを行うことが非常に困難になります。

ここでは、当事務所がサポートさせていただいた事例をベースに内容を簡単にご紹介します☆

韓国の家庭法院(家庭裁判所)へ『改名許可申請』をしたケース◎

【相談内容】・・・婚姻届が受理されない!

在日3世、日本人との婚姻届を役場へ提出するために添付書類として本国の家族関係登録簿事項別証明書を取寄せたが、名前の漢字一文字が日本の住民票上の漢字と相違することを初めて知る。結局婚姻届は受理されずもう1年が過ぎたが、どうすればよいか?

本人は生まれてから今まで日本の住民票上の名前を使用しており、運転免許証や健康保険等すべての社会生活においての名義も日本の住民票上の名前になっているため、韓国の家族関係登録簿上の名前を日本の住民票上の名前に変えることを希望。

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【訂正手続】

1、家族関係登録簿上の名前を変えたい場合は、本人の登録基準地を管轄する家庭法院(家庭裁判所)へ「改名許可申請」をすることになります。

  申請書には申請理由をハングルで記入し、疎明資料及び韓国語翻訳文を添付する必要があります。

  この相談ケースの場合は、生まれてから現在までその名前を使用していることが分かる日本の出生届出記載事項証明書や外国人登録原票、住民票や小学校等の卒業証明書などが疎明資料になりますが、申請書及び具体的な必要書類については事前に領事館へ相談することをお勧めします。

2、家庭法院から改名許可の決定を受けた後、登録基準地の役場へ「改名申告書」を提出します。この申告書は予め家庭法院へ改名申請書類と一緒に提出しておくと許可された際に家庭法院から登録基準地へ直接送られます。

改名後の家族関係登録簿事項別証明書を領事館から取寄せし、原本と日本語翻訳文を婚姻届に添付して日本の役場へ提出することで無事婚姻の手続が終了します。

その後、日本の婚姻届出受理証明書と韓国語翻訳文を添付して、本国の登録基準地へ婚姻申告書を提出することにより、両国において有効な婚姻が成立することになります。

 

 上記の改名許可申請手続は居住地を管轄する領事館へ申請書を提出する方法と直接本国の家庭法院へ申請書を送付する方法がありますが、特別永住者のなかには母国語を話せない方も多くハングルで申請書類を作成しなければならないなど、自力では難しいことも多いため領事館と相談しながら手続を進めるのがよいかと思います。

また、手続には3~6ヶ月ほど時間がかかりますが、直接本国へ送付の場合は3ヶ月ほどで手続が終了するため、急ぎの場合は直接送付することもよいでしょう。

ちなみに、改名事項は家族関係登録簿事項別証明書の「基本証明書」に記載がなされます☘